黄色く色づいたいちょうの葉がひらひらと落ちてくる季節になりましたね。
いちょうの木を見ると、子どもの頃に体験した“あの銀杏独特のにおい”を思い出します。
登下校中に、友だちと一緒に落ちていた銀杏を踏んでしまって大騒ぎしたこと。
靴についた匂いがなかなか取れなかったこと。
でも今では、それすらもどこか懐かしく、秋を告げる合図のように感じられます。
不思議なもので、においや音、手触りのような「五感で感じた記憶」は
時間が経っても鮮明によみがえることがあります。
これは子どもたちの成長にも深く関わる、とても大切な経験です。
五感の刺激は、言葉で説明するだけでは身につかない学びを育て
「記憶に残る体験」として子どもの中に積み重なっていきます。
大人になってからも自然に思い出せる記憶は、きっとその子にとっての“心の財産”です。
私たち大人がふとした瞬間に子どもの頃の記憶を思い出すように
子どもたちにも“心に残る五感の記憶”をたくさんプレゼントしてあげたい──
大切な「育ちの時間」を、これからも丁寧に支えていきたいと思います。





